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『シティ・オブ・ゴッド』を超える濃厚な南米映画とウワサされてたので、すごい気になってました。

『タブロイド』
監督:セバスチャン・コルデロ
出演:ジョン・レグイザモ、レオノール・ワトリング、ダミアン・アルカザール、ホセ・マリア・ヤズピックほか
オフィシャルサイト:http://www.tabloid-movie.jp/




すごく骨太な映画。
その辺に転がっているようなサスペンスものとひと味ちがいます。
事件そのものに焦点を当てるのではなく、人間が持つ闇の部分に焦点をあてたのが、映画成功の要因と感じました。



子どもばかりを狙う連続殺人鬼“モンスター”を追い、エクアドルに降り立ったタブロイド番組の人気レポーター・マノロのTVクルーは、取材中、無実の罪を着せられて集団リンチを受けていたビニシオの命を救います。
その一部始終がカメラに収められ、TVで放送されたため、マノロは一躍ヒーローになったのでした。
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偶然にも、集団リンチの先頭を切っていた男は、“モンスター”の被害にあった少年の父親でした。
男は双子の男の子の父親だったのですが、ひとりが“モンスター”に殺され、もうひとりはその葬儀の直後、同級生を追いかけてトラックの前に飛び出して事故死してしまったのです。
そのトラックを運転していたのがビニシオ。ビニシオは少年を助けようとトラックをバックさせようとしたのですが、不運にも「逃げようとしている」と誤解されたのでした。
ふたりの子どもを一度に失った父親の怒りの矛先はビニシオに向けられました。
同じ留置所に拘束されているビニシオを殺そうとします。


命の危険を感じたビニシオは、“モンスター”の被害者の父親にインタビューするために留置所にやってきたマノロのTVクルーに、ある取引を申し出ます。


それは、「“モンスター”についての情報を提供する。そのかわり、あなたの番組を使って私をここから出られるように取りはからってくれないか」というものでした。


“モンスター”の情報・・・。
それは、スクープを狙うマノロにとって、非常に魅力的な申し出でした。
情報の一部として耳打ちされた内容を確かめるため、マノロはビニシオの言葉にあった場所をカメラマンのイバンとふたりで掘り返します。


その場所は、すでに警察が一度“モンスター”の被害にあった子どもの遺体を発見していた場所。警察はすでに捜査を終了していました。
しかし、ビニシオの言葉どおり、マノロとイバンは少女の遺体を発見することになります。
警察は1人分の遺体を見過ごしていたのでした。


当然ながら、本来ならそこで警察に通報するべきでした。
しかし、ふたりはその遺体をまた土に埋め戻します。
警察に協力するよりも、自分たちの番組でスクープしたい、という誘惑に負けたのです。


ビニシオは、「営業先でたまたま出会った男(おそらく“モンスター”)に聞いた話」としてマノロに話します。
しかし、マノロは「ビニシオが“モンスター”に違いない」と確信。
カメラの前でビニシオに自白させようと考えます。


ところが、ビニシオについて調べてみると、“モンスター”とは思えない好人物。
信仰心に溢れ、職場でも近所でも評判がよく、いまの妻は1年半ほど前に結婚したばかりで、かわいがっていた息子もその妻の連れ子。
ビニシオは、血がつながっていない息子を非常にかわいがっていました。
そして、妻も息子も、ビニシオのことを心から愛し、慕っています。


家族思いのビニシオは、本当に犯人なのか・・・?
取材、インタビューという名の壮絶な心理戦を繰り広げるうちに、衝撃の事実がマノロたちをのみこんでいく・・・、というストーリー。



役者はもちろんですが、演出がうまいです!
観客もマノロと一緒になって、「ビニシオはやっぱり犯人なんだろうか」「いや、本当に話どおり“モンスター”に話を聞かせられただけなのかもしれない」と考えさせられます。


はっきりしている「事実」は、
ビニシオが起こした交通事故は、避けようのない不運な事故。
しかし、誤解されて集団リンチにあい、危うく命を落とすところだった。
そしていま、ビニシオは事故の過失を問われ、拘束されている。
身重の妻はあと数日で出産するが、このままだとビニシオは立ち会うこともできないーー。
ということ。


これが報道されれば、おそらくビニシオは情状酌量で釈放される。
しかし、もし本当にビニシオが“モンスター”だったら・・・。


TVは「事実」であれば何を報じてもいいのか?
時として人はTVの影響力に踊らされていないか?
観終わった後、いつまでも考えてしまいました。


ところで、マノロ役のジョン・レグイザモって、どこかで見たことあると思ったら、『ロミオ&ジュリエット』でロミオの仇のディボルト役だったんですね。いい男です。


個人的には、ビニシオ役のダミアン・アルカザールがすっごく気になりました。
「こんな役者いたんだ! すごい!!」って感じです。
ビニシオ役がこの俳優だったからこそ、マノロとのやりとりに深みが出たのだと思います。
メキシコのアカデミー賞にあたるエーリエル賞を5回も受賞してます。
久しぶりに、すごい俳優に出会えました。



ラストシーンがいつまでも頭の中に残ります。
とても後味が悪い映画ですが、見た後の満足感はかなり高かったです。
ただ、幸せになりたい気持ちのときは、見ない方がいいでしょう(笑)。
元気なときに「今日は映画見るぞ!」って気分で見てください。


あと、リンチシーンがけっこう壮絶なので、そういうのに弱い方は少しだけ覚悟してってください。
ちなみに、私も暴力的なシーンにはけっこう弱いですが、心構えしてったらちゃんと見れました(笑)。


あまりたくさんの映画館で上映されてませんが、わざわざ遠くの映画館に出向いて行っても損しない内容に仕上がってると思います。
ただし、好き嫌いはありそう。
とりあえず、『シティ・オブ・ゴッド』を見て南米パワーに感じ入った方や、『羊たちの沈黙』の緊張感が病み付きだという方、ぜひ見てみてください。


映画で笑ったり感動したりするのもいいですが、心理もののサスペンスフルなドラマでドキドキさせられるのもまたいいです。
そういう映画こそ、大画面で見たほうが迫力ありますし(^ー^)


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