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信じること、信じられること。
裏切ること、裏切られること。
奪うこと、奪われること。
許すこと、許されること。
弟であること、兄であること。


第59回カンヌ国際映画祭の監督週間に正式出品された作品。


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『ゆれる』
監督・原案・脚本:西川美和
出演:オダギリジョー、香川照之、伊武雅刀、新井浩文、真木よう子、木村祐一、ピエール瀧、田口トモロヲ、蟹江敬三ほか
HP:http://www.yureru.com/splash.html


詐欺師の兄とマジメな教師の妹という、対照的な兄妹の視点で、人間の善と悪をコミカルに描いた『蛇イチゴ』で長編デビューを果たした西川美和監督の、長編第2作。


写真家として活躍する弟・猛。実家が経営するガソリンスタンドを継いだ温厚な兄・稔。
母の一周忌のために帰郷した猛は、元恋人で幼なじみの智恵子に再会する。智恵子は父と兄が経営するガソリンスタンドで働いていたのだ。


法事を終え、稔と一緒にスタンドに寄った猛は、「食事がてら智恵子を送る」といいながら、彼女のアパートに上がりこむ。
兄が智恵子に好意を寄せていることを感づいていたのに・・・。
猛が夜中になって実家に戻ると、稔がひとり、洗濯物をたたみながら猛を待っていた。
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翌朝。
猛と稔、智恵子の3人は、蓮美渓谷に向かう。
稔から、「子どものころ何度も連れてきてもらったところだ」と聞かされるものの、猛には記憶がない。


子どものころを思い出すのか、稔はひとりはしゃいで川に入っていく。
河原には、昨夜の延長で話す智恵子の言葉をはぐらかそうとしている猛がいる。
智恵子は「一緒に東京に行って猛と新しい人生を始めたい」と匂わせていたのだ。


そんな智恵子から逃げるようにして、猛はひとり山道を登り、つり橋を渡った。
それを追いかけるように、智恵子はつり橋に向かう。
渡り始めると、背後から稔にしがみつかれた。
稔は高い位置で揺れるつり橋が怖いのだ。


つり橋の向こうで、夢中になって草花を撮影していた猛は、ふと顔を上げた。
つり橋の上で、稔と智恵子がもめているのが見える。
猛の表情が凍りついた次の瞬間、つり橋の上から動揺した様子で川を見下ろす稔の姿だけがあった・・・。

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一度は事故ということで決着がついたのに、稔は自分が智恵子を突き落としたのだと警察に対して口走り、拘置所に入れられてしまいます。
そして、猛に対し、それまでに見せたことのない顔を見せ始めるのです。


「お前の人生は素晴らしいよ。自分にしかできない仕事して、いろんな人に会って、いい金稼いで。
俺を見ろよ。仕事は単調。オンナにはモテない。家に帰れば炊事洗濯に親父の講釈。
で、そのうえ人殺しちゃったって、何だよそれ」


兄の温厚な顔しか目にしたことのない猛は、その言葉にショックを隠せません。
そして、次第に兄に不信感を抱くようになります。


あれは、本当に事故だったのか。
俺が庇おうとしているのは、実は本当に人殺しなのかもしれない。


そして・・・。
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前作『蛇イチゴ』を観たときに、新人離れした演出力と、脚本の巧みさに驚かされました。
とにかく、人間心理の描写がうまい。
説明的なセリフは一切ないのに、主人公の感情がヒシヒシと伝わってくるんですから・・・。


そして、第2作品となる『ゆれる』も、とにかく心理描写が巧妙です。
事故なのか、殺人なのか。
観客は猛と一緒に「ゆれる心」を体験することになります。



香川照之の、最後の表情。
あの表情が、この映画のすべてを物語っています。


オダギリジョーも、香川照之も、演技がうまくてゾクゾクしました。
脚本の素晴らしさはもちろん、今回は配役もカンペキです。
『蛇イチゴ』もよかったですけどね)
これは、観るべきでしょう。


所々に挿入される、つり橋のシーン・・・。
記憶と幻想と回想。
これはいったい誰のものか?
そこも、この映画の重要なポイントです。
こんな脚本書けるなんて、すごい人ですね、西川監督。




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